現代トライアンフのTOGAサイレンサー



現在トライアンフ (Hinckley Triumph)向けに、英国のクラシック・バイク部品のメーカーとして有名なTOGA(Norman Hyde)のサイレンサーを扱うことにしました。TOGAサイレンサーは、トライアンフの伝統的な形状を引き継ぎ、音質で高い評価を得ています。すべての部品は英国にて生産されており、ステンレス・スチールのウール断熱材を使用しているため、長期間劣化しない深い音質を可能にしています。そのため、TOGAサイレンサーは、クラシック・バイクの愛好者の間では、つとに知られています。

しかし、現代トライアンフ向けのTOGAサイレンサーの日本における需要が読めないため、注文の都度、TOGAから取り寄せることにしています。約2週間かかります。また、TOGAの話によると、サイレンサーはいつも在庫があるわけではなく、時には在庫がなく、再生産までしばらく待っていただく場合もあるとのことでした。

 

製品には、サイレンサーを取り付けるためのブラケットとネジ類、および取り外し可能なミュート(音量を弱める装置)がキット化されて付属します。ただし、HBS165のみ、ミュートは付属しません。

また、このページの末尾に、「TOGAからのお知らせ」を記載しました。


HBS105 左右ダウン出し

   ・該当車種   Bonneville/T100 : 2000~2015年のフロントが19インチでスポーク・ホィール

   ・価格

下左写真

HBS105は、もっともポピュラーなサイレンサー。1950~1960年代の伝統的な形状を受け継いでいる。地面とのクリアランスも十分取れている。

下右写真

HBS105のキットの中身。取り外し可能なミュート(音量を弱める装置)も付属している。また、このページの末尾に記載した「TOGAからのお知らせ」も参照してください。

サイレンサーHBS105の取付に関する苦労話

TOGAは、2016年頃にHBS105の型変更を行いました。その頃から、サイレンサーが取り付かない、きわめて取り付けにいとの話をたびたび受けました。そのことをTOGAに伝えると、「いや、取付手順にしたがってやれば、絶対、取付られる」という回答があるばかりでした。そのため、当方としては、HBS105の取扱いをしばらく中止していました。

しかし、それでもいいから取り寄せて欲しいという方がいらっしゃいましたので、事情を説明のうえ、取り寄せました。そして、その後、取付はどうだったのか、お知らせいただきました。そのいくつかを紹介します。

 

①HBS105の件ですが、やはり簡単には取付できませんでした。エキパイとサイレンサー取付部の角度が合いません。違うステーを専用で作らなければいけないと思います。私は強引につけました。まず、サイレンサーを取り付け、少し上に持ち上げてからステーを取り付け、締め付けます。当然、このときはエキパイとサイレンサーの角度はずれています。構わずサイレンサー・バンドを強引に締め付けます。これで完了です。排気漏れはありませんでした。このサイレンサーは設計ミスだと思います。少しでも参考になれば、うれしいです。(Dスポーツ Hさま)

 

②先日、HBS105を取り付けました。お聞きしたようなこともなく、特に加工することもなく、純正エキパイに普通に装着できました。まったく問題ありませんでした。一応、ご報告まで。(Mモータース Sさま)

 

③サイレンサーですが、さほど苦労せず取付できましたので、お知らせします。TOGAの手順ではなく、まずステーをフットレストに先に緩く仮止めします。次にサイレンサーをエキパイに差し込み、サイレンサーとステーが合うように位置決めし、付属のボルトを差し込みます。このときは少しばかり押し込む感じですが、問題なく取付できました。(富山のTさん)

 

取り付けにくさの程度が、型変更と車種の年式の相性によるものか不明ですが、(確実に取付を約束するわけではありませんが)参考としてください。また、情報を提供していただいた方々には御礼申し上げます。


HBS505 左右ダウン出し

   ・該当車種  2009年~2015年のキャスト・ホィール(フロント 17" )のBonnevilleとSE

     フロント 19" はHBS105 が適合します

   ・価格


HBS142 右セミアップ2本出し

   ・該当車種  スポークとキャストのBonneville/T100 Scrambler

            EFIタイプには取りつかない

   ・価格

1960年代にアメリカ向けに輸出されたT120C/TR6C/T100Cのサイレンサーに似ている。伝統的なストリート・スクランブラー・タイプ。価格には、サイレンサーの他にエキパイ、レッグ・ガード、取付金具が含まれます。


HBS165 左右ダウン2本出し

   ・該当車種  Bonneville : 2008年までのフロントが19インチ

             T100 : 年式に関係なく適合 フロントが19インチ

   ・価格

ノートン・コマンドに使われたリバース・コーンのサイレンサーに似ている。

注:ミュートは付属していません。


HBS205 左右ダウン2本出し

   ・該当車種 Thruxton

   ・価格

HBS105がBonneville/T100向けに作られているのに対し、HBS205はThruxton(~2015年まで)向け。


HBS405 右セミアップ2本出し

   ・該当車種 Scrambler (2006年-2014年が該当)

   ・価格

HBS142と同じく、1960年代にアメリカ向けに輸出されたT120C/TR6C/T100Cのサイレンサーに似ている。HBS142との違いは、サイレンサーの長さが短い。後方から見ると、オリジナル車よりもスリムで軽快は感じを与える。エキパイは、元々Scramblerに付いているものを使う。


TOGAからのお知らせ

1. 公道では使えません

英国だけでなく、他の国においても、騒音規制により公道走行には使えません。

 

また、TOGAサイレンサーHBS105を装備したバイクの最適な走行性能を得るために、次の事項を読んでください。

2. キャブレター・バイクの調整

やや大きめの114までのどれかのメイン・ジェットが必要となります。また、Norman HydeのHigh Intake Bellmouth (HBK135)を使用している場合、128番までのどれかのメイン・ジェットとなります。適切なジェット番号を決めるには、番手の大きいメイン・ジェットから始め、少しずつ番手を落としていきます。DYNOJETを使えば、さらに良くなります。詳しくは、Hinckley Triumphを扱う店と相談してみてください。

 

3. EFI バイクの調整

① TOGAサイレンサーを取り付けたからといって、調整の必要はありません。しかし、走行を重ねるうちに、過度な”ポッピング”症状が現れるかもしれません。

② この場合、Triumph TOR mapをecuにインストールすると、”ポッピング”が改善します。しかし、mapはしばしは変更され、症状も変わります。

③ そのため、Norman Hyde Air Injection Removal Kit (HBK134)をインストールします。ただし、エキパイに触媒式排気浄化装置(catalytic converter)をもつ初期型EFIバイクには使用しないでください。

④ Triumph ecuのマッピングをカスタマイズしてください。そうすることにより、”ポッピング”を改善し、より大きなパワーを得られるでしょう。

⑤ custom mapをもつPower CommanderとHBK134+HBK135をインストールします。ベストな走行特性をもつ最大パワーを得られます(maximum improved power with best possible running characteristics)。