トライアンフ別体やベロセット、そしてノートンなどのオーナーの方々は、電装関係を6Vから12Vに変え、また安定した発電能力をもつ交流発電機(米国式にいえばジェネレータ、英国式にいえばダイナモ)にしたいという希望をもっていらっしゃると思います。
そこで、フランスのALTON社と交渉し、当方をディラーとして扱ってもらうことになりましたので、以下にALTON社の交流発電機を紹介します。発電機(ACGxxx)と整流器(PR01)をセットで購入されることをお奨めします。
なお、この製品は高価であり、また頻繁に売れるとは考えにくいので、当方では在庫を持ちません。ご依頼の都度、ALTON社から取り寄せます。約2週間かかります。ご理解ください。
下記の価格には、部品代の他に、航空運賃送料、税関時の税金(消費税や地方税)、私の手数料を含みます。
発電機番号 | 該当車種 |
ACG01 |
Vincent Twins Rapide, Black Shadow, Black Knight, Black Princeなど PD15ピニオン用のアダプター付き |
ACG02 |
Vincent Comet Comet, Meteor 付属品としてピニオンが付きます |
ACG03 |
Velocette Single MAC, Viper Venom, Thruxtonなど アルミ製のプーリーが付属 ベルトは付きません 1950年代以降のVelocetteは、Vベルト駆動プーリーです 1940年代以前の初期型Velocetteのフラット・ベルト駆動プーリーもあり |
ACG04 |
Triumpn Pre-unit Twins 5T, 6T, Speed Twin, TR5, TR6, T100, T110, T120 ARIEL Fieldmaster KG & KH ドライブ・ピニオンは付属せず Lucasに元々ついているピニオン使用 |
ACG05 |
Magdyno BSA M20, M21, B31, B33, B34, Gold Star DB34 & DBD34など Norton Model50, ES2 (1958年まで) ARIEL Red Hunter 250, 350, 500 single, VB600 Panther Model 100 & 120 Royal Enfield Bullet |
ACG06 V-Belt |
BSA Twins A7, A10, Rocket Gold Star, Golden Flash, Super Rocket, Spitfireなど ARIEL Huntmaster プーリーとVベルトが付属 注:1950年以前の初期型はVベルトの長さは350/375mmが適合 それ以外の年式には400mmが使われます。 |
ACG06 Chain |
BSA Twins 該当車種はACG06 V-Beltと同じ チェーン・ドライブのスプロケット(歯数 11T)付き |
ACG07 |
AJS/Matchless Single AJS Model 16, 18, 30 Matchless G3, G3L, G3LC, G80, G98, G9Bなど 純正ダイナモはテーパー・シャフトですが、ACG07はストレート そのため、チェーン・スプロケット (19T 旧型は17T) が付属 ドライブ・チェーンのコマ数を1~2個増やす必要あり。 |
ACG08 |
Norton Twins Model 50, 7 Diminator 77, 88, 99 (1957年まで) Panther M75 |
ACG09 |
AJS/Matchless Twins AJS Model 20, 30 Matchless G9, G9B, G11 ドライブ・スプロケットは付属しません |
PR01 Podtronics |
整流器 4本リード線 単相 200W Podtronicsの型式 POD-1P-HPと同じ 上記の発電機とは別売です |
下記に発電機番号ごとの写真と断面図を掲載します。
発電機は、Lucas Dynamoの代替品として生産されていますので、サイズはLucasとほぼ同じです。
ACG01 Vincent Twin
ACG02 Vincent Comet
ACG03 Velocette Single
1950年代以降のVelocetteは、上図のプーリーのようにV ベルト駆動です。もし、初期型Velocetteのフラット・ベルト駆動にしたい場合、右写真のようなプーリーに変更可能です。ご希望を申し出てください。
ACG04 Triumph Pre-unit Twin
ACG05 Magdyno
ACG06 BSA Twin 上写真はV-Beltタイプ 下写真はChainタイプ 断面図は共通
ACG06 Chain to V-belt
ACG06のChainタイプをV-Beltにコンバーションする際に必要なキット 右写真のように大小2個のアルミ製プーリー、取付ねじ、キー、ベルトから構成されています
ACG07 AJS/Matchless Single
ACG08 Norton Twin Model 7 Diminator 88 99
ACG09 AJS/Matchless Twin
PR01 Podtronics
ALTON社からのお知らせ
1. 発電能力
ALTON社の発電機(永久磁石交流キット)は、12Vで最大15Aの発電能力があります。
2. 12Vへの変更
ワイア・ハーネスは、劣化していない限り使えます。しかし、バルブ、バッテリー、ホーン、イグニッション・コイル、アンメータなどの電装品は12V仕様のものに交換する必要があります。
3. 取付配線図
発電機をお買い上げの場合、配線図を添付します。
4. Lucas点火システムの供給
ALTON社は、自社製品のみ供給しています。Lucas部品は取り扱っていません。
5. 製品保証
保証番号(シリアル番号)が発電機に打刻されます。保証期間は2年であり、発電機が購入者の手元に届いた日から保証期間がカウントされます。
保証費用には、交換部品代、修理代、購入者への返送費を含みます。しかし、購入者からALTONへの送料は含みません。また、ALTON発電機の損傷にともなって、バイクに交換部品が発生したり、修理したりする費用は含みません。
6. 保証の免責
適合しない車種、競技用バイク、スポーツ・カー、飛行機、ゴー・カートへの転用、および誤った取り付けは、ALTON社やその製品の販売者の免責となります。ALTON社の発電機は特殊工具で組み立てられていますので、2年間の保証期間を有効にしたいのであれば、分解しないでください。分解すると、2年以内であっても保証対象になりません。
ALTON発電機の購入に関する雑感 2015年5月記載
私がALTON社から交流発電機を購入し始めてから、10年以上経過しました。約150台以上を輸入したでしょうか。その間、いくつかの経験をしましたので、それを雑感として書いてみたいと思います。
1. 修理依頼について
私から購入された方で、保証期間である2年以内に故障した場合、例えば、発電能力が低下した、ギアが摩耗した、などの不具合が生じた場合、ALTONは無料で修理に応じてきました。ここ数年の頻度は、ALTONの製品改良の努力のおかげか、年1回あるかないかです。また、稀にではありますが、保証期間が過ぎても、修理の実費を負担していただければ、ALTONに送って修理してもらいました。
ところが、最近、私を通してではなく、英米にあるALTONのディラーを通じて発電機を購入された方が、私に修理や部品入手を依頼されることがあります。この場合、申し訳ありませんが、お断りさせていただいています。その理由は、英米のディラーは、私と同様、ALTONと修理に関する約束事をもっていると考えるからです。つまり、そうしたディラーは、購入者に対し、保証を明示していると考えるからです。
なお、保証期間内に修理が生じた場合でも、申し訳ありませんが、日本→フランスの送料(¥6,000前後)は、購入者にお願いしたいと思います。そもそも、そうしたことを想定して価格を決めているわけではないので・・・。
2. 英米のディラーから購入するときに考慮して欲しいこと
日本のバイク・オーナーが、ALTON発電機をどこから購入されるかは、もちろん、その方の自由です。私を通じて購入するもよし、英米のディラーから購入するもよしです。また、直接、ALTONから購入するもOKです。ただ、その場合、一般の購入者扱いになるので、私に認められているディラー・ディスカウントは得られません。また、稀に故障した場合、直接交渉する必要があります。
さて、英米のディラーから購入する場合、私を通じて購入する場合と比べ、次のような違いが生じることを念頭に入れておいてください。
① 購入価格について
英米のディラーから購入する場合、ALTON発電機はフランス→英国/アメリカ→日本と経由するので、フランス→日本の場合と比較し、ディラーの利益、航空運賃、輸入時の課税などが加算されるので、価格は当然、高くなります。
② モデルについて
ALTONでは、過去に修理で戻ってきた製品の不具合をもとに、品質改善・改良を続けてきました。もっとも、ここ数年は品質が安定しているので、改善はされていないようですが。私は、国内から入手依頼があるたびにALTONへ発注していますので、送られてくる製品は、最新モデルです。しかし、英米のディラーから購入する場合、そうはいきません。ディラーは、当然、在庫を持ちますから、在庫がなくなるまでの期間(それが半年か1年か知りませんが)、最新モデルを購入者に提供できません。
③ 修理期間について
英米のディラーから購入した場合、修理品は、日本→英国(アメリカ)→フランス→英国(アメリカ)→日本というルートを通るわけですから、当然、修理品が依頼者の手元に戻るまで、期間が長くかかります。私の場合、もちろん、日本⇔フランスと直接取引ですので、修理期間が短くて済みます。