英国バイクの場合、バイク・メーカーや年式、そして排気量に関係なく、ピストンのオーバーサイズは下表の茶太文字で示す4種類しかない。これは、ピストン・メーカーがHepolite/GPM/OMEGAに関係なく、また英国製/イタリア製/日本製に関係なく、同じである。稀に+030や+080をいうオーバーサイズを見ることがあるが、例外と考えてよい。
レストアする場合、シリンダーやピストン・リングの摩耗具合をチェックし、どのサイズを使用するか決めるが、シリンダーとピストン・リングの適切なクリアランスについては、ワークショップ・マニュアルを参照してください。また、+060(または+080)を越えるオーバーサイズはないのだから、シリンダーのライナー(スリーブ)とピストンをスタンダードに戻すことになる。
補足
① サイズ+020は、Standardより+0.02” (0.508mm)だけ大きいことを意味する。
② ピストン・リングだけ購入する場合もあると思うが、下表のオーバーサイズしかない。
③ 同車種同排気量でも、年式によって圧縮比が異なることがある。パーツリストやマニュアルで確認を。
④ ピストンがアルミの場合、鋳造か鍛造かで適切なクリアランスは異なる。
サイズ | 説 明 |
STD (Standard) |
STDが基準であり、これから上がオーバーサイズとなる |
+020 | 1 ランク上のサイズ |
+040 | 2 ランク上のサイズ |
+060 | 3 ランク上のサイズ |
+080 | トライアンフ650ccに+080というサイズがあるが、他の車種には存在しないことが多い |